スゥエーデンのケロシンランタン「オプティマス1200M」についての記事です。 年代によって多少異なります。
年代別の紹介・比較がメインです。 オークションで出てる1200、買いたいけどどのタイプ?とか、自分が持ってるの1200て書いてあるけどこれなんなん?っていう時に役立ちます。
optimus1200M(オプティマス1200)の詳細
オプティマスは1899年~現在もキャンプ用品を販売しているスゥエーデンの老舗メーカーで、オプティマス1200は250CPくらいの明るさの中型ランタンです。
燃料は灯油(ケロシン)で、いわゆるプレヒート(余熱)して、プレッシャー(圧力)かけてっていう、ペトロマックス系ランタンです。構造もほぼ一緒。
マントル等、消耗品パーツを買い替える場合は、「200cp~250CP用」という物を探します。 ニップルやノズル、クリーニングニードルなんかがそうです。 基本的には「オプティマス200」とほぼ同じなので、パーツを買う時に、「オプティマス200等に対応します」という場合でもOKです。(※後で書きますが、1200Aは別)
optimus1200Mが人気の理由
※左から350cpのバタフライランタン(500cpでも大きさは一緒)、オプティマス1200M、コールマン286A
現行で生産されているケロシンランタンは、主に左の大きさのサイズのランタンなんですよね。 ペトロマックス500HKが同じくらいです。 後は中華系のバタフライやシーアンカー等。
中華系のは屋台で使うからガチの実用性を重視してこのサイズがまだ生産されているのでしょうが、カップルキャンプで使うには「ちとデカい」んですよね。 高さ40㎝と30㎝の違い。
350cpとか250CPってのは明るさ(及びそれに伴うボディの大きさ)の目安で、キャンプでのメインランタンとして一般的に販売され続けているコールマンのワンマントルランタンである286Aは200CPです。 これが「使いやすい」の標準だとすると、
・ペトロマックス系の形でかっちょいい
・キャンプシーンで使いやすい大きさ・明るさ。
・現在は販売していない、ビンテージ品という所有感
・ゴールド(ブラス)が欲しかったんや!
・手の届く価格
という需要をミックスした結果、人気が高まるのは必然ですよね。
ペトロマックスの250cpサイズも世の中には存在するのですが滅多に出てこないし、基本的にブラス色でビンテージのケロシンランタンって少ないんです。
オプティマス1200Mは90年代半ばまで日本でも販売されていたので比較的手に入りやすい。
という事で、最初に購入したのが1200Mでした。 そこからドハマリ中。
MとかGとかAだとか・・違いを解説
さて、オプティマス1200を調べると、MとかGとかBとかって出てくるんですよね。
手持ちのランタンには、「1200」としか記載されていないので、自分のこれはなんなん?って思いますよね。
基本的にはクロームメッキ(銀色の)が「optimus1200」だとして、どの個体も正式名称的には「1200」でいいんだと思います。
Mは、スゥエーデン語の「mässing」=「真鍮(ブラス)」という意味で「真鍮の色ですよ」って事です。 箱の写真がクロームもブラスも同じなので見分けがつくようにただ記載してあったのを正式名称として呼ぶ人もいるし、1200と呼ぶ人もいるといった所でしょうか。
例えば、携帯電話でホワイトとゴールドがあったりするじゃないですか。
箱は同じで、区別がつくようにW(ホワイト)ってシールが貼ってあったとして、
「ウチのiphone5Wだよ」「Wって何?俺のと違うの?」「分からん」みたいなもんでしょうか。
1200Gは、古い時代にフィラーキャップとは別にゲージがついていた物を指します。 ゲージのGです。
上記の写真はGを持っていないのでイメージとして最終型のオプティマス1200の物を載せました。 これはGとは言いません。 昔は通常の1200に、オプション的に「さらにゲージ付きですよ」という意味合いでGと箱に印がついていたわけです。
1200Bは、ベンゼンのBなので灯油ではなくガソリン仕様ですよという事。(スゥエーデン語でもbensin) ヴァポライザーがまっすぐ(上でぐるっと一周しない)です。
1200Aは、最終型の事を指します。 これが一番ミソ!これはBOXにも「M」と書いてあったようなのですが、最終型は従来の1200Mとはノズルの大きさとかヴァポライザーの位置とかが全然違うので区別をする必要があるんですよ。 ナチュラムのレビューやブログを読むと混乱を招いているようでした。(1200A用の部品を買って、使えないじゃないか!という) 海外フォーラム(ただの掲示板)では、
The A is I think for shade variations on table models.
とありましたが翻訳してもよくわからず・・シェードってのは傘みたいなやつです。
とりあえず日本では1200Aは最終型を指しています。
という事で、GとBは昔の超レア物で色はクローム。 では、1200Mと1200Aは同じゴールドだけどどうやって見分けるのか?
年代別のいろんな1200Mをご紹介します。
年代別のオプティマス1200M図鑑
同じブラスのオプティマス1200Mでも年代によって異なるのでそれらを比較用に紹介します。
大きく分けると4種類です。
中期1200M
中期の1200M。 これが一番、1200Mらしい1200Mだと思います。 年代は80年代~バブリーな頃か。 見分けポイントは、トップの穴(2段あるうちの上)が細かい。 フレーム下段も縦の穴あき、トップのビスは1個といった所か。 グラスはこのフロストグラスバージョンの物をよく見かけます。 これにはオプティマスのロゴが無いです。made in west germanyの場合はオリジナルです。
後期1200M
94年には最終形態に入るので中期~93年頃のモデル。 グラスはたまたまクリアの物が搭載されていますが、フロストグラスの物もあります。多分。ちなみに切り替えの時期はトップだけ中型でフレームは後期等のミックスも存在します。
中期型との違いは、トップの穴が大きくなったのと、フレームに横線が入ったという2点です。トップのビスは1個です。
最終型1200M(1200A)
そして最終型がこちら。 94年~97年頃販売された最終型です。生産時期的には短いけど割と最近。 後期と比べてパッと見の違いは燃料キャップにゲージが付いている所です。 後はハンドルまでゴールドです。 トップの形状も微妙に違います。 上から見るとビスが無く、つるつる坊主。
というか、
実は構造が根本的に違います。 (左が最終型1200Aで、右が普通の1200M)
現行のペトロマックスや中華ランタンがこの左の構造です。 ヴァポライザーが中央ではない所からまっすぐ伸びています。1200Aは抜くとゴムパッキンが入っています。
ノズルの大きも違います。(1200Aは350cp~500CP用ので、デカい)
なので、区別するために1200Aという呼び方をしなくてはならないのです。 タンク裏に4桁の数字刻印もあります。(多分最初の2桁は年代) 生産期間が短いので、世界的に見ると玉数が少ないレア物ですが、まだ20年前くらいの物なので日本では中期・後期と同じくらい見かけます。
初期型1200M
初期型。 70年代後半~80年代のどこかだそうです。 1200自体はこれ以前にも歴史があるのですが、ブラス色のMはこれが最初。
画像だと分かりづらいですが、初期型だけは別格です。
余熱バーナーがレバーになっているのが見た目の大きな違い。赤いバルブも200や930初期と同じ一番optimusのランタンの脂が乗ってる頃のもの。 トップの2点ビス他、違いはたくさんありますので今度ご紹介します。
初期型は細かいパーツにもsweden やoptimusの刻印があったり、造りの良さが全然違います。 玉数も少なくて正に幻の一品。
以上を踏まえたうえでもう一度見るとこう。 もうどれがどれか分かりますね。
以上が1200Mの種類別紹介でした。
M(ブラス)に限定しなければ(クロームなら)、初期の前に余熱バーナーがノブになっている超・初期型(ツーバルブ)とか、1200なのに余熱バーナーが無いレア物、トップが黒の物など、さらに種類はあります。面白いでしょ。
オプティマス1200M、それぞれの価値は?
これから買おうと思ってるんだけど、どれが特にオススメなの? というと、もちろん初期型のレバーの物がオススメです。 もう全然違います。 ただ、市場でも「レバーは初期でレア」という認識があるのでその分高くなりますし、そもそもあんまり出てこない。
それ以外の3点の市場価格は変わらないように感じます。(そこまで皆気にしていないから) ちなみに手にした感想としても、後期に比べて中期の方が造りがしっかりしているかというとそうでもないです。
最終型200Aは、細かい部分まで金メッキが施されているので「生産時期の短いスペシャルゴールドバージョン」とも言っても過言ではありません。ノズル・ニップル等、パーツの流用もしやすい。 でも、「ビンテージの所有感」で言えば中期がややリードか。
それよりは、状態とグローブがオリジナルかどうかが価格に影響してきます。
グローブは何がオリジナルか
さて、割れやすいので20年、30年も経てば取り替えられている可能性も高いグローブ。88mm×106mmくらいのやつ
1200や200でよく見かけるのは上の写真のグローブだと思います。 オプティマスのロゴが入って、反対側にSchott Splax glasって書いてあるやつ。 グラスだけはドイツから仕入れているようで、made in germany (もしくはwest germany)表記があります。
これが例えば中期のに装着されていたとして、それがオリジナルなのかどうかは分かっていませんが、最終型のグローブでもmade in west germany表記は確認できています。
コールマンも替えのグローブを販売しているように、オプティマス200用(1200も共通)に「リペアキット」という消耗品の替えセットが販売されていました。 なので「made in germany表記のやつはオリジナルじゃないかもしれないけど純正」「made in west germanyのやつはオリジナル・どちらにしても年代物」というのが情報としては限界。
1200Mの中期のフロストグラス。 これは反対側にオプティマスのロゴがありません。 最初買った時に「これはオリジナルじゃないのか!?」と調べまくりましたが、多分オリジナル。 箱付きの新品未使用でもこのグローブで販売されてたので。 むしろ一番オーソドックス。
このフロストグラスか、さっきのロゴ入りの物が1200Mのオリジナルです。
ハーフ(80%?)フロストグラスは初期型のみ。 反対側はmade in west germany表記。 これは凄くレアものです。
オプティマス200との違いは余熱バーナーの有無
同じサイズ感、同じ明るさ(CP)でオプティマス200(optimus200P)というものがあります。
これと何が違うのか?というと、「余熱バーナーの有無」だけのようです。
オプティマス200がベースで、「余熱バーナーがあるやつが1200」。
で、余熱バーナーがある方が生き残って90年代まで販売されて続けたという解釈でよいかと。
オプティマス1200Mまとめ
という事で、オプティマス1200Mの種類紹介でした。 他にもいろいろあるけどざっくりこんな感じ。
また各詳細はレビュー記事に書きます。
やっぱ、動画はよくわかる。 もうここまで来ればお分かりの通り、一番オーソドックスな中期型ですね。
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